研究課題/領域番号 |
13770726
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
宮城 委史 久留米大学, 医学部, 助手 (80309806)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | CD9 / アデノウイルスベクター / 胃癌 / Invasion Assay / 腹膜転移モデル |
研究概要 |
CD9の発現はHB-EGF、α3β1と共に細胞-細胞間の刺激伝達に関与している。この伝達関与により細胞増殖作用を促進することより、癌の進展や転移に関与している事が示唆される。前年度の実験では、3種の胃癌細胞株MKN-1、MKN-28、MKN-45を用いてセンスおよびアンチセンスCD9アデノウイルスベクターをそれぞれ感染させCD9蛋白の発現をWestern blot法にて確認した結果、いずれの癌細胞株でも強発現が確認された。本年度はセンス・アンチセンスCD9の導入において腹腔内増殖・抑制による腹膜転移への関与についてIn vitroおよびIn vivoにおいて検討した。浸潤能に影響があるかInvasion Assayを行い検討した。non-virus群とアンチセンスCD9発現癌細胞株を比較して、浸潤細胞数に有意な変化は示さなかったことよりCD9の発現抑制が直接浸潤抑制または促進に関与しないと考えられた。さらに胃癌細胞株MKN-45よりヌードマウスの高度腹膜転移モデル(MKN-45P)を作製し、高度腹膜転移細胞株にセンスおよびアンチセンスCD9アデノウイルスベクターを感染させIn vivo実験に用いた。センスおよびアンチセンスCD9導入MKN-45Pをヌードマウス腹腔内に散布しその効果について検討した。腹腔内散布後4週後の腹膜転移結節数についてNon-virus群、CD9導入群、アンチセンスCD9導入群で比較した。有意差は認められなかったがCD9導入群はNon-virus群に比べ結節数の増加がみられ、アンチセンスCD9導入群ではNon-virus群に比べ結節数が少なかった。この結果よりアンチセンスCD9の癌細胞への導入は、CD9の細胞増殖作用を抑制し、高度腹膜転移モデルの結節数減少をもたらしたと推察する。今後、腹膜転移の治療に応用できる可能性を示唆した。
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