研究課題/領域番号 |
13770775
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡田 尚巳 (岡田 尚已) 自治医科大学, 医学部, 助手 (00326828)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 悪性神経膠腫 / 遺伝子治療 / ハイブリッドベクター / アデノウイルス / レトロウイルス / アデノ随伴ウイルス / HSV-tk / アポトーシス / Bim |
研究概要 |
悪性神経膠腫をはじめとする脳腫瘍の遺伝子治療に適したベクターの開発を目標として、異種のウイルスのハイブリッドを応用した治療ベクターの開発を推進した。(1)悪性神経膠腫における自殺遺伝子治療の効果を高めるため、細胞内で治療ベクターを産生させるアデノ-レトロハイブリッドの治療効果を検討した。HSV-tk発現レトロウイルスベクターのゲノムを有するハイブリッドウイルスを用い、従来得られたin vitroにおける感染実験の結果を参考にマウス皮下腫瘍モデルにて、レトロウイルスベクターを誘導しGCVを腹腔内投与すると、抗腫瘍効果の増強が確認された。また、腫瘍細胞内の治療ベクターのコピー数が約170倍以上増加し、In situ hybridizationにおいて治療遺伝子の発現がより広範に認められた。また、治療遺伝子の効果を高める工夫として、BH3因子とHSV-tkとの相乗効果を確認した。(2)頭蓋内における遺伝子導入においては、より安全性の高いベクターの開発が将来期待される。このため、炎症反応を起こしにくいAAVベクターの悪性脳腫瘍への応用を検討した。各種の神経膠腫細胞株を用いてeGFPを発現する1-5型のAAVベクターの感染様式を比較した結果、2型での発現が高い群、2および5型での発現が高い群、および5型での発現が高い群の3種類に分類された。E1B55kを欠失し腫瘍において優位にウイルスを増幅させるAAVベクターAAVE1、HSV-tkおよびRepを発現するAAVベクターAAVTRや、Capを発現するアデノウイルスベクターAVCapを構築した。AAVTRを、AAVE1、AVCapと共に神経膠腫細胞に感染させ、腫瘍細胞内でのAAVTRの増幅を確認した。動物モデルにおいて感染条件と副反応を詳細に検討することにより、この技術を応用した治療システムの開発が期待される。
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