研究概要 |
平成14年度はwister系ラット摘出右心房からのノルエピネフリン遊離に関して検討した。 in vitro下にtritium-NEを右心房にfield stimulationと言う電気刺激法を使用してup loadさせた後,superfuse bathの中でkrebs solutionにて還流開始。 3分間隔で灌流液を回収(1回の回収を1 fractionと言う)。3rdと13th fraction中にfield stimulationを負荷(それぞれS1,S2とする)。tritium-NEの遊離を測定した。S2/S1比を計算する事によりノルエピネフリン遊離に対する影響を検討した(正常出はS2/S1比は0.8前後)。 anandamideは10th fractionから10-5mol/Lの濃度でクレブス液中に添加。anandamideの添加によりtritium-NE遊離,すなわちS2/S1比にいかに影響をおよぼすかを測定。 結果的に、anandamideの添加の有無にかかわらずS2/S1比に変化は認められず,trituim-NE遊離に影響を認めなかった。 anandamideは心臓交感神経系のノルエピネフリン遊離におよぼす影響は少ない事が示唆された。 平成13年度の研究結果ではanandamideの上腸間膜動脈に対する弛緩作用はsodium nitroprussideに比較すると弱く,anandamideは比較的大血管系に対しては弛緩作用が弱い事が示唆されている。 総合するとanandamideは交感神経系からのノルエピネフリン遊離あるいは大血管系への影響は小さく,細動脈レベルでの影響が大きいのではないかと言う事が示唆された。
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