研究課題/領域番号 |
13770856
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森山 潔 慶應大, 医学部, 助手 (10296717)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 肺傷害 / 内毒素 / 陽圧換気 / 腫瘍壊死因子 |
研究概要 |
本年度はうさぎ少量内毒素気管内投与モデルを用いて、陽圧換気の換気量(大きな一回換気量(20ml/kg)・小さな一回換気量(5ml/kg))が与える影響について検討するため、以下の4群に分け実験を行った。1)LE群:大きな一回換気量(20ml/kg)+内毒素投与群、2)LC群:大きな一回換気量+生理食塩水投与群、3)SE群:小さな一回換気量(5ml/kg)+内毒素投与群、4)SC群:小さな一回換気量+生理食塩水投与群。4時間の陽圧換気の後、肺微小血管透過性の指標としてpermeability index(BAL中アルブミン濃度/血清アルブミン濃度)を、内毒素への反応の指標としてBAL中及び血中の腫瘍壊死因子(TNF)濃度を求め、肺損傷の程度につき検討した。Permeability indexはLE群のみで有意に上昇していた。2元配置分散分析の結果より、大きな一回換気量による陽圧換気と少量の内毒素気管内投与の交互作用が有意であった。TNFは生理食塩水投与群(LC、SC群)ではBAL中、血中ともに検出されなかったため、内毒素投与群(LE、SE群)に関して検討した。BAL中TNFは2群ともに検出されたが、群間で有意な差は認められなかった。血中のTNFはLE群で有意に上昇していた。我々のモデルにおいては、大きな一回換気量による陽圧換気と少量の内毒素気管内投与が相乗的に働き、肺損傷が招来された。また、大きな一回換気量により内毒素刺激に対する過剰反応が誘導され、肺内のTNFが血中に漏出し、LE群において血中のTNFが有意に上昇したと考えられた。これらの実験結果は2002年5月に開催される米国胸部疾患学会総会において発表予定である。
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