研究課題/領域番号 |
13770857
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
石黒 芳紀 帝京大学, 医学部, 助教授 (40232285)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | キセノン / アセチルコリン / 放射性トレーサー / コリン・エステラーゼ / 酵素活性 / アセチルコリンエステラーゼ / 酵素活性阻害 |
研究概要 |
目的 キセノンの副交感神経に対する影響を考える上で、コリン作動性受容体の伝達物質であるアセチルコリンの濃度はキセノン麻酔下に大脳皮質において上昇していることが確認されている。この原因としてアセチルコリンの放出が促進されているのか、アセチルコリンの代謝が抑制されているのかを明らかにすることを目的としている。本年度は、計画通り密閉条件下で気体の濃度を保ちながらコリンエステラーゼの活性を測定することを目的とした。このため酵素活性の測定に対して、放射線医化学研究所の高度画像診断ステーションの入江俊昭先生に技術的な協力を依頼し、ラジオトレーサーを用いた酵素活性の測定を行った。 実験方法 成熟した雄ラットを対象とし、その脳をホモジナイズしたものを緩衝液で希釈したものと、断頭断端より採取した血液を測定対象とした。キセノン100%または酸素100%(陰性対照)、エーテル10%(陽性対照)をそれぞれの溶液がはいった密閉容器に灌流しながらかつ撹拌し、容器内の溶液に飽和させるように十分に時間をとった。その後に密閉条件を保ちながら放射性トレーサーC14で標識した、アセチルコリン・エステラーゼ反応基質であるMP4Aまたはブチリルコリン・エステラーゼ反応基質であるMP3Bを加えて反応を開始し、適当な時間に反応を停止して、未変化体と代謝物の放射能比を測定、加水分解速度定数を求めた。酸素100%の速度定数をコントロールとして、キセノンおよびエーテルによる加水分解速度定数への影響を比較することにより、キセノンのコリンエステラーゼに対する影響を調べた。 結果と結論 キセノンはアセチルコリン・エステラーゼならびにブチリルコリン・エステラーゼの活性にはともに有意な影響を与えなかった。したがって、キセノンによるアセチルコリンの濃度上昇のメカニズムとしては放出の増加が強く示唆された。
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