研究概要 |
成熟マウス(90-180日)より分離したleydig細胞を去勢した幼若マウス10日目,20日目,30日目.40日目の皮下に移植し,前立腺ならびに精嚢の発達を観察した.なお,分離したleydig細胞はテストステロン分泌能検査にて分泌能は確認された.結果は去勢のみのコントロールと比較して明らかに移植群において前立腺,精嚢は発達していた.また性ホルモン測定(LH, FSH, testosterone, free testosterone)においても移植群は正常マウスと等しく,内分泌環境が保たれていた.このことよりleydig細胞の移植はマウスにおいては可能であると考えられ,性ホルモン環境の維持に有効であると考えられた.なお皮下注入部の組織学検討においてLeydig細胞は確認された.今後は幼若マウス(5日目,15日目のマウスも前記の加齢マウスに追加)からのleydig細胞を幼若マウスおよび成熟マウスに移植し同様に性ホルモン環境が維持されるかを検討する考えである.筋肉内に移植した場合と皮下移植との比較も行いたい.さらに各成長段階で幼若なleydig細胞がどのように成熟なleydig細胞に分化していくかを各種遺伝子(Patched,17βHSDIII,3βHSDVI, P450c17,P450sccなど)の検索を加えて行いたいと考えている.この目的は,現在まだ明らかでないleydig細胞の分化機構の解明である.
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