研究概要 |
CRH(corticotropin-releasing hormone)のGnRHニューロンへの直接作用を、GnRH産生細胞であるGT1-7をもちいて調査した。 1.GT1-7細胞中のCRH受容体mRNAの遺伝子発現をRT-PCRを用い確認した。 2.潅流実験 GT1-7細胞2×10^6個をカラムに重層し、DMEMを潅流液としで潅流する。GnRH分泌が、定常状態になった後、潅流液にCRH(10^<-6>,10^<-8>,10^<-10>M)を添加し、カラム潅流液6分毎の分画中のGnRH濃度をRIAで測定した。 CRHを添加すると、潅流液中のGnRH濃度がCRH濃度依存性に上昇した。 3.培養実験 GT1-7細胞4×10^6個/dishをCRH(10^<-6>,10^<-8>,10^<-10>M), CRH受容体拮抗薬(α-helical CRH(10^<-6>M)を加えて30分間培養し、培養液中のGnRH濃度をRIAにて測定した。培養液中のGnRH濃度は、CRHの濃度依存性に増加し、CRHによる増加はCRH受容体拮抗α-helical CRHを加えることにより抑制された。 4.細胞内カルシウム濃度の変化 GT1-7細胞4×10^3個/dishをRecording mediumで還流しながらCRH10^<-6>M、ノルアドレナリン10^<-6>M(positive Coritrolとして)を投与し、細胞内カルシウム濃度の上昇を確認した。 5.GnRHmRNAの発現 3と同様に培養を行い48時間まで培養時間をのばし、GnRHmRNAの発現量を定量したところ長時間ではGnRHmRNA発現量が増加した。 GnRH産生細胞であるGT1-7において、CRHを添加培養すると短時間ではGnRHの放出、長時間ではGnRHの産生の亢進へと作用することが示唆された。
|