自律神経の検査法である瞳孔対光反応を用いて、煩雑な装置や手技を用いることなく、簡便かつ非侵襲的に客観性のある嗅覚検査法を確立することが本研究の目的である。 本年度は以下のことを行った。 1.嗅覚正常者を対象に不快臭刺激前後の瞳孔対光反応を測定した。この結果不快臭刺激前よりも不快臭刺激後の方が縮瞳率が有意に大きいことがわかった。 2.不快臭刺激前後の縮瞳率、縮瞳時間、縮瞳速度についての検討を行ったが、優れた指標となるのは縮瞳率であった。 3.本検査法は嗅覚正常者では再現性も認めた。 4.被験者間でのばらつきが大きく、正常範囲の設定は困難であるが定性的に用いる検査法としては実用化の可能性が出てきた。
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