研究課題/領域番号 |
13770985
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
瀧口 洋一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40306783)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 蝸牛 / アセチルコリン / セロトニン / AMPA / microdialysis / guinea pig |
研究概要 |
蝸牛の神経支配は、感覚細胞からの情報を蝸牛神経を経て中枢に送る求心系と、脳幹に起始細胞を持ち感覚細胞に神経終末を送る遠心系とに大別される。音響刺激による求心性神経の反応により遠心性神経が賦活されさらに求心性神経に対して影響を及ぼすフィードバック経路はEfferent acoustic reflexと呼ばれている。また従来より遠心性神経終末のトランスミッターはアセチルコリン(Ach)であると推定されており、合成酵素と分解酵素の存在が証明されている。 今回我々は、グルタミン酸のアゴニストであるAMPAの外リンパ潅流による聴力障害モデルにおいて外リンパアセチルコリンの動態を観察した。また、外リンパアセチルコリン濃度の測定はin vivo microdialysis及びHPLC-ECDを組み合わせた方法を用いて行った。また外リンパアセチルコリンの動態におけるAMPAの効果を確認するため、AMPA型グルタミン酸受容体アンタゴニストであるCNQXを前投与することで同様の実験を行った。結果、AMPA潅流により外リンパアセチルコリン濃度は潅流前に比べ、約2-3倍に増加した。一方、CNQXを前投与した場合には外リンパアセチルコリン濃度の有意な変化をみとめなかった。今回の結果から、蝸牛求心性神経への刺激により外リンパにアセチルコリンが放出されることが示されたものと考える。また、近年内耳におけるセロトニンの存在が示されており、トランスミッターとしての役割が推定されている。同様の聴力障害モデル及び測定系に於いて、内耳においてセロトニンの測定が可能であった。
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