研究課題/領域番号 |
13770986
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2002) 慶應義塾大学 (2001) |
研究代表者 |
林 裕次郎 国際医療福祉大学, 附属熱海病院・耳鼻咽喉科, 講師 (80296681)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 良性発作性頭位めまい症 / 3次元眼球運動解析 / 眼球回転軸 / 赤外線CCDカメラ / Semont法 / 回転軸解析 / 後半規管型BPPV / 水平半規管型BPPV / 前庭神経炎 |
研究概要 |
眼振すなわち眼球の回転運動は、その回転軸と軸廻りの角速度で定義される。さらに、ある半規管を刺激するとその半規管に対し垂直な軸を中心とする眼振が誘発されることから、眼振の回転軸を求めることにより病巣推定が可能である。 本研究では、良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo : BPPV)の病態を解明するため、BPPVの眼振における回転軸の解析を行った。 対象は、Dix-Hallpike法によってBPPVに特徴的な眼振が誘発された一側性BPPV症例13例である。眼振回転軸は、赤外線CCDカメラを用いて記録した眼振映像をもとに、独自に開発した3次元眼球運動解析アルゴリズムを用いて算出した。また全例に理学療法(Semont法)を施行し、その治療効果の検討も行った。 回転軸解析の結果、患側の後半規管に対しほぼ垂直な軸を回転軸にもつ7症例(グループA)と、前後軸付近に回転軸をもつ6症例(グループB)の2つのグループに分けられた。グループAの患者では病変が後半規管に限局しているのに対し、グループBの患者では病変がより複雑であることが推測された。 この推測はSemont法に対する反応性が両グループで異なるという結果からも支持された。グループAの全例が、Semont法により10日以内に治癒したのに対し(平均2.4日)、グループBの患者は治癒までに長い期間を要した(平均25.7日)(p<0.05)。Semont法は、後半規管内の結石を卵形嚢に排出させることを意図して考案された理学療法である。グループBでは、病変が後半規管に限局していないため治癒までに時間を要したと考えられた。 頭部における半規管の解剖学的位置を考慮すると、グループBの病変は三半規管すべてあり、おそらく三半規管内すべてに結石が存在する病態(前庭結石症)であることが推測された。
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