研究課題/領域番号 |
13770996
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
池田 浩己 関西医科大学, 医学部, 助手 (90288803)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 化学物質過敏症 / アレルギー / シックハウス症候群 |
研究概要 |
平成13年度より関西医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来において化学物質過敏症、シックハウス症候群と思われる患者に対する検討を行っている。2002年末までに23家族25名(男性8名、女性17名)にのぼる対象者の検討を行った。 検討項目は詳細な問診に続き、視診による局所所見の状態、鼻汁好酸球検査、血液生化学検査、呼吸機能検査、指標追試検査、状態特性不安検査(STAI問診票)などである。ほぼ全例で眼、鼻、咽喉等刺激症状を自覚しており、その他には頭痛、蕁麻疹、眩量、全身倦怠感、呼吸困難などのいわゆる不定愁訴が見受けられた。視診では眼、鼻咽喉粘膜の非特異的発赤を認めるのみであった。鼻汁好酸球、IgE陽性率からみるとアレルギー疾患との相関は明らかではなかった。ホルムアルデヒド特異的IgE陽性例は25例中一例も認めなかった。呼吸機能検査では数例の喘息患者以外はほぼ正常範囲であった。指標追試検査では検査実施した20例中の15例(75%)にladder状波形を認めた。 STAI問診票によるスコア分布は状態不安がIII、IV、Vが20〜30%ずつの分布に対し特性不安はVが72%と高値を示した。14年度よりは北里研究所病院に準じて内服、点滴、酸素吸入などの治療も開始している。全例ではないが症状の軽快とともにladder状波形は軽減し、STAI問診票による状態特性の不安スコアは低下していた。 厚生労働省のシックハウス症候群研究班からは14年末に、シックハウス症候群の定義を「化学物質・アレルゲン・微生物などの影響による、家庭内環境の微妙な変化で健康障害が起きた状態」とするという一定の答申がでている。我々の検討でもおおむねこの答申に同意はできるが、最近では新改築家屋のみならず職場環境により発症したと考え得る患者と接する機会が増えている。「家庭内環境」という用語に関しては検討の価値があるものと感じている。
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