1)T細胞クローンの用意:我々は以前よりぶどう膜炎の活動性病変のあるHLA-DR4(DRB1^*0405)陽性原田病患者数名の眼局所浸出細胞、脳脊髄液内浸出細胞及び末梢血単核球(PBMC)を採取して、rIL-2、feeder細胞存在下に限界希釈法を用いてT細胞クローンを樹立していた。今回、主にその中のCD4陽性T細胞クローンを中心にスクリーニングを行った。このコントロール細胞にベーチェット病とサルコイドーシスHLA-DR4陽性患者のT細胞クローンを用い、HLA-DR4陽性健常人PBMCからも同様に樹立し、検討を行った。 2)標的細胞の用意:Target cellとしてHLA-DR4(DRB1^*0405)transfectantのL-DR4細胞株を用いて、これらを抗原提示細胞として自己のPBMCと共に用いた。 3)抗原の用意:tyrosinase peptide(450-462; SYLQDSDPDSFQD、gp100peptide(44-59;WNRQLYPEWTEAQRLD)の二つのメラノサイト関連抗原を用いてスクリーニングした。陰性ペプチドとしてHA peptide(307-318; PKYVKQNTLKLAT)を用いた。 4)サイトカインassay:樹立した原田病CD4陽性T細胞クローンのRANTES産生能をELISAにて測定する事でスクリーニングを行ったところ、assayしたT細胞クローンの数クローンがtyrosinase peptide、gp100peptideに対してHLA-DR4(DBR1^*0405)拘束性に反応しRANTES産生能の増加を認めた(20クローン中、7クローン)。これは原田病に特異的で、HLA-DR4陽性ベーチェット病、サルコイドーシス眼局所由来T細胞、健常人PBMC由来T細胞には全く認められなかった。
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