研究課題/領域番号 |
13771048
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
田中 雄一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20287254)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 機能的核磁気共鳴画像法 / functional MRI / 色覚関連中枢 / V4野 |
研究概要 |
本研究の目的は、色相による視覚野の応答を観測し、脳内処理を予測することである。色覚関連中枢(以下V4野)は、大脳の下部に存在するにも関わらず、上半視野のみならず下半視野の刺激にも応答することがすでに明らかになっている。われわれは、機能的核磁気共鳴画像法(functional MRI)を用いて、ヒトV4野のこれらの特性をもとに刺激の形状を工夫し、逆扇形の赤緑チェッカーボードの頂点を固視することによって下半視野にのみ刺激を提示し、これに応答するV1,V2野は後頭葉上部にV4野は下部に分離して検出することに成功している。刺激条件として、下半視野に灰色、赤、緑、青、黄と黒で作成した逆扇形チェッカーボードを提示し、V1野、V4野を同定し、ここをそれぞれ関心領域として平均時間反応曲線を求めた。その後、パーソナルコンピューターで各色相および測定部位ごとに平均信号上昇率を求めた。被験者は男性6名女性2名で計8名で実験を行った。8名のデータを加算平均してみると、ある傾向が認められた。V1野では灰色と青の間では有意差を認めたが、他の色相間での有意差は認めなかった。それに対してV4野では灰色とそれ以外の4色との間に有意差を認めただけではなく、青と赤、黄と緑の間でも5%水準で統計学的に有意な差を認めた。すなわち、V4野では青と黄において信号上昇率が大きかったのである。 そもそも青は特殊な色と考えられる。Ts'oは、サルのV1野とV4野で青黄色対立応答を示すニューロンが、赤緑色対立応答を示すニューロンに比べどの位あるかを調べ、その比BY/RGがV1野に比べ、V4野でははるかに大きいということを報告していた。われわれの実験結果は、このことをヒトの脳で表しているのかもしれない。つまり、青は脳内で修飾され、増幅されている可能性が示唆されたのである。
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