研究課題/領域番号 |
13771096
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
堀口 大吾 徳島大学, 歯学部, 助手 (70304532)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 象牙質 / 石灰化 / デンチンシアロホス蛋白質 / デンチンシアロホスホ蛋白質 |
研究概要 |
デンチンシアロ蛋白質(DSP)とホスホホリン(PP)とは、いずれも象牙質に特異的な非コラーゲン性蛋白質である。両者は単一の遺伝子DSPPにコードされており、特にPPは象牙質の石灰化に関与する可能性が高いと考えられている。この遺伝子産物の生化学的性質と生理的な役割とを明らかにすることを目的として、まず、ラットの切歯より抽出した全RNAを用いて、PCRによりDSPP遺伝子をクローニングし、シーケンスを行った。この遺伝子のPP部分は繰り返し配列の多い特異な構造をしており、シーケンスは困難を極めた。次に哺乳動物での発現プラスミドpcDNA3.1(-)にDSPP遺伝子を組み込み、これをFuGENE6を用いて、それ自体で石灰可能を示すマウス骨芽細胞用細胞MC3T3-E1と、この細胞の培養上清を培地に加えたときに石灰化するラット歯髄由来株化細胞RPC-C2Aとに導入し、G418耐性の安定発現株を複数単離した。これらの細胞がDSPPmRNAを発現していることはノーザンブロッティングとRT-PCRとで確認した。しかしDSPとPPの抗体は市販されていないため、蛋白質レベルでの発現は確認できなかった。von Kossa染色および石灰化物のカルシウム量を定量することで、これら細胞のもつ石灰可能について検討した結果、これら細胞の示した石灰化度は一様ではなく、またMC3T3-E1細胞の培養上清によるRPC-C2A細胞の石灰化誘導も一律ではないことがわかった。この原因として、細胞内でDSPとPPとが切断されて機能できる構造をとっていない可能性、DSPPと共に他の因子が組み合わさることで石灰化が制御されている可能性が考えられた。したがって、今後、DSP、PPと協調的に石灰化を制御する因子を探索すると共に、両蛋白質のペプチド抗体を作成して、さらなる機能解析を行う必要があると考えられた。
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