研究課題/領域番号 |
13771103
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
渋川 義幸 (澁川 義幸) 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30276969)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 象牙芽細胞 / 容量性カルシウム流入チャネル / イオンチャネル / 歯髄 / パッチクランプ法 / IP_3受容体 / 細胞内カルシウムストア / 細胞内カルシウムイオン濃度 / 容量性カルシウム流入 / イノシトール3燐酸受容体 |
研究概要 |
1.象牙芽細胞の容量性Ca^<2+>流入チャネルに着目し、象牙質形成制御機構を検索した。 副交感伝達物質(ムスカリン)、疼痛因子(ATP)、炎症性物質(ブラジキニン)は、象牙芽細胞膜受容体に結合しIP_3-induced Ca^<2+> releaseを介してCa^<2+>ストアの枯渇を誘発する。この枯渇が、細胞内Ca^<2+>輸送である容量性Ca^<2+>流入を引き起こし、生理・病態生理学的な象牙質形成を駆動している事が判明した。 2.多くの細胞で容量性Ca^<2+>流入チャネル発現が報告されているにも関わらず、その活性化機構は謎である。そこで細菌由来プロテアーゼによる本チャネル抑制機構を検討した。 (1)歯周病原性を有するP.gingivalisが産生するプロテアーゼ(RGP)は、リシン-アルギニンの結合を切断する。細胞内IP_3受容体には、このリシン-アルギニンが多く存在する。 (2)RGPが、容量性Ca^<2+>流入を不可逆的に抑制した。しかし、プロテアーゼ活性を消失させると、その抑制は可逆的に生じた。 従ってIP_3受容体は物理的に容量性Ca^<2+>流入チャネルと結合し(direct-couling theory)、そのチャネルの活性化モードを修飾する事で、本チャネルの開口を直接活性化している可能性が示唆される。 以上より、容量性Ca^<2+>流入が象牙芽細胞機能を調節する細胞内シグナルであるとともに、本チャネルが細胞内IP_3受容体によって直接活性化される機構が提案される。また、P.gingivalisが、容量性Ca^<2+>流入チャネルに作用する事から、歯周病を含めた口腔内慢性炎症性疾患発症機構の因子が、チャネル修飾によって生じている可能性が示された。
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