研究概要 |
研究計画に従い、本学歯学部附属病院に設置されている高速らせんX線CT装置(SIEMENS社製、SOMATOM PLUS4)のテーブルに取り付け可能な頭部固定装置の設計・製作を行った。 平成13年度は頭部固定装置としての所用条件を満たすよう改良を加えながら固定装置を作成した。最終的に完成した固定装置にファントームを固定し、撮影を行った。撮影後のX線写真はフィルムディジタイザ(VIDAR社製、VXR-12)によって画像処理用コンピュータ(Apple社製Power Macintosh G4)に画像データとして取り込み,画像解析ソフト(NIH Image)を使って各断層面においてあらかじめ設定した解剖学的指標ならびに固定装置上の指標について距離、角度の計測を行った。計測の精度について検討するため,同一測定者が一定の期間をあけて2回の計測を行って,測定者の計測の再現性を求めた。ならびに,異なった測定者が同様の計測を行いその結果から測定者間変動を求めた。 さらに撮影時の誤差を見るために時間をあけて2回の撮影を行い1回目と2回目について比較した。観察者内、観察者間で各計測値に有意な差は認められなかったが、1回目と2回目の撮影において基準平面の取り方によっては計測値に影響を与えることが示唆された。 平成14年度はボランティアを対象とし、前年度と同様の撮影ならびに計測を行ったがファントームを用いた場合とほぼ同様の傾向を示した。被曝が憂慮されたため撮影は1回しか行わなかった。 計測値に影響を与える因子として頭部固定法だけでなく基準平面を設定する際、CT画面上でどのラインを基準とするかの違いが計測値の誤差を生じる因子となることが示唆された。 現行の顎関節断層撮影装置が老朽化しているため、この頭部固定装置を用いたCTによる顎関節部検査が日常的に行えるようさらなる検索を行いたい。
|