研究課題/領域番号 |
13771134
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
横田 広彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90301366)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 有限要素法 / 歯頚部窩洞 / 温度変化 / 異常咬合 / エナメルベベル / 応力分布 / ストレインゲージ |
研究概要 |
平成13年度に作成した有限要素モデルを改良して、温度変化によって歯頸部窩洞(くさび型窩洞)の窩壁に発生する応力について解析を行った。歯全体を一様に温度変化させて冷却したときは接着界面に沿って引張り応力と剪断応力が発生した。一方、加熱したときは圧縮応力と剪断応力が発生した。引張り応力は歯質と材料の接着を破壊する大きなファクターである。このことから、冷却が歯頚部窩洞の辺縁封鎖性の劣化に大きく影響しているものと考えられた。さらに温度変化によって生じる応力の程度は窩洞形態によっても異なる。くさび型窩洞は歯頂側のレジンが歯肉側よりも厚みがある。したがって、歯頂側エナメル質象牙質壁表層部の垂直成分(引張り応力)は歯肉側象牙質壁表層部と比較して大きかったと考えられる。 次に、エナメルベベルの効果を検討するために、温度変化または荷重を負荷した場合の歯頸部窩洞(くさび型窩洞)の歯頂側窩壁に生じる応力分布を有限要素モデルから解析した。コンポジットレジンは熱膨張係数が高く、弾性率が低い。したがって、ベベルによって歯頂側辺縁のレジンの厚みが薄くなったことから、温度変化や異常咬合を想定した荷重を負荷したとき、応力の程度は減少した。さらに、エナメルベベル部の、特に窩縁周囲の引張り応力も減少した。 以上のことから、温度変化や異常咬合によって接着界面に生じた引張り応力が歯頸部窩洞の漏洩パターンに大きく影響していることが示唆された。
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