研究概要 |
平成13年度実験概要 4週齡ウサギ骨髄より未分化間葉系細胞を採取し、アパセラム上で増殖させた。予備実験において、アパセラム中に未分化間葉系細胞が侵入していくことをMTS assayにて確認している。つぎに、アパセラムに接着、伸展した未分化間葉系細胞にDexamethasone、β-Glycerophosphate、ascorbic acidを添加し骨に分化誘導させたもの、またはさせなかったものを、それぞれアパセラムとともに5週齡のヌードマウスに移植した。 移植8週後に軟X線撮影およびパラフィン切片作製(HE染色)を行った。その結果、,HE染色にて未分化間葉系細胞を骨に分化させ移植した場合には、骨芽細胞様の組織が観察された。軟X線の観察においても分化させ移植した場合の方が、分化させなかった場合と比較して不透過像の幅は大きかった。 一方、コラーゲン含有ハイドロキシアパタイトを担体として未分化間葉系細胞とともにヌードマウスへの移植実験を行ったが、移植後、4週より吸収が認められた。これは、コラーゲン含有ハイドロキシアパタイトは担体としての強度に問題があったものと考えられる。さらなる改良が必要と思われる。 本年度の研究結果より、骨髄より未分化間葉系細胞とアパセラムの組み合わせによって、顎堤を再構築するティッシュエンジニアリングの可能性が示唆された。次年度は、さらに骨の強度や、骨形成後の吸収について詳細に検討する予定です。
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