研究課題/領域番号 |
13771214
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
楠元 貴司 京大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (10301251)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヘリコバクター ピロリ / 経口免疫 / 唾液腺 / NGF |
研究概要 |
Helicobacter pylori(H. pylori)の新規治療法としての経口免疫(経口ワクチン)療法の開発が期待されている。一方で、抗H. pylori経口免疫における唾液腺の果たす役割については不明であり、今年度までに我々は、唾液腺摘出マウスモデルを用いて、H. pyloriの菌量制御について検討を行い、唾液腺は長期的なH. pylori菌量制御に重要であるだけでなく、抗H. pylori経口免疫の誘導に唾液腺が必要であることを報告してきた。 そこで、唾液中の菌量調節に必要な唾液腺由来液性因子を解明するため、NGFやEGFなどの唾液腺由来成長因子に注目し、菌量調節に与える影響を検討した。唾液腺摘出マウスモデルを用いて、唾液腺由来成長因子を投与しながら経口免疫を行い、その免疫効果を調べるためH. pylori投与による感染実験を行った。結果は、経口免疫前に唾液腺摘出すると著明に免疫効果が低下したが、唾液腺摘出群にNGFを経口摂取させると唾液腺が存在する群と同程度の免疫効果を得た。すなわちH. pylori経口免疫時のNGFの投与は、胃でのH. pylori菌量制御に関与しており、免疫効果に影響がある。また抗H. pylori特異的血中抗体価も検討したところ、唾液腺摘出群は抗体価の減少を認めるが、NGF投与により抗体価の上昇を認めた。すなわち、唾液由来NGFは経口免疫による、体液性免疫応答に重要な役割を果たしていることがわかった。 これらのことから、唾液由来NGFは抗H. pylori経口免疫に深く関与し重要であることが解明された。
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