研究概要 |
1.In vitroにおけるAZTが扁平上皮癌細胞に与える影響について 1)細胞株の細胞増殖能に与える影響について. AZT最終濃度は2μMとして1カ年継代培養した.AZT添加培養を始めた時点では培養開始後24時間で1.2倍に増殖し,48時間で4倍,72時間で9倍となった.AZT非添加群でも添加群と同様の増殖曲線を示し,有意差を認めなかった.1年の継代培養後も細胞増殖に変化を認めていない. 2)細胞株の寿命に与える影響について AZT添加群,非添加群とも細胞増殖率に差はなく,Doubling time, G1 arrest, Apoptosisに有意の差は見られなかった. 3)Telomerase活性の減弱とTelomere長の相関について (1)Telomerase活性の変化は,TRAP法による測定ではAZT添加培養細胞に本活性の減弱,または消失が見られた. (2)Telomere長の変化は,培養における各細胞がhetergenecityが高く,1カ年という短い継代培養期間の事もあり,テロメア長の短縮傾向は見られたが有意の差はなかった.さらに培養継代を続ければ統計的に差のあるtelomere長の短縮が見られると考えられる.最近では,継代培養を続けるうちに細胞はAZT耐性となり,これについても検討するべきであろうと考えられる. 2.In vitroでのAZT投与による抗腫瘍効果,生存率の延長について. 1)Balb/c nu nuマウスにおけるin vivoでの検討の結果,有意な腫瘍発育抑制効果は見られなかった.
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