研究概要 |
臨床的研究:今年度は、平成13年度に実施した臨床的研究の結果を以下の3本の論文にまとめた。1.新しく開発した細径硬性関節鏡を用いた顎関節有視下洗浄療法の術式と術中鏡視所見の紹介ならびにその安全性(合併症の発生頻度)についての和文論文;1.2mm径硬性関節鏡を用いた顎関節上関節腔有視下洗浄療法の開発(日本口腔外科学会雑誌48:613-619,2002)。2.顎関節クローズドロックに対する本法の術後6ヶ月の臨床成績に関する英文論文;Visually-guided irrigation for patients with symptomatic internal derangement of the temporomandibular joint : a preliminary report (Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 95:in press,2003)。3.本法を2回施行した顎関節の臨床症状の推移と鏡視所見の変化との関連性について検討した英文論文;Visually-guided temporomandibular joint irrigation in patients with chronic closed lock : Clinical outcome and its relation to intra-articular morphological changes (Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 95:in press,2003)。以上の臨床研究のデータから、本法は低侵襲で安全性が高く、信頼性の高い反復顎関節鏡視検査システムとしての応用が可能であると考えられた。 動物実験:当初、イエウサギ膝関節を用いた反復関節鏡視による医原性OA発現の有無について検討する予定であったが、関節腔が狭小で完全なclosed techniqueでは関節鏡視が不可能であった。そこで、対象をビーグル犬の膝関節に変更し、2関節に反復関節鏡視検査(1週間間隔)を行った。その結果、医原性と考えられるOA変化は、関節鏡視的には観察されなかった。今後、本実験を継続し、組織学的な検索も行う予定である。
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