研究概要 |
当教室では、平成6年より、4NQO誘発ラット舌扁平上皮癌細胞株を用い、転移実験モデルの開発を行っており、RSC3LM(血行+リンパ行性転移株)、RSC3E2R(血行性転移株)、RSC3E2(非転移株)の3株を樹立し、足蹠部移植による高頻度リンパ節実験転移モデルを樹立した。さらに本モデルを用いて舌扁平上皮癌細胞株によるリンパ管新生とリンパ節転移に関する研究を行っている。リンパ節転移の成立には、腫瘍細胞のリンパ管内への侵入および腫瘍組織内でのリンパ管新生という過程を経て成立するものと考えられる。腫瘍細胞のリンパ管内への侵入については、Microporeフィルターを用いたケモタキシスの検討により、高転移株については高い運動能と、高い浸潤能有することが判明した。さらに高転移株では血管内皮細胞開裂をきたしたことから,LM株では血管内皮細胞開裂因子を産生し細胞開裂を生じさせることから,腫瘍細胞が宿主細胞に対し開裂を生じさせ.浸潤が可能となることにより浸潤転移が成立すると思われた. また4NQO誘発ラット舌扁平上皮癌細胞株(RSC3)にGreen fluorescent protein(GFP)遺伝子を導入し、リンパ行性微小転移機序の解析を行った。GFP遺伝子を導入したラット舌扁平上皮癌細胞株は安定して強い蛍光を発し,in vivoにおける腫瘍細胞の可視化が可能となった.
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