研究課題/領域番号 |
13771280
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三河 雅敏 昭和大学, 歯学部, 助手 (20276603)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 新生骨 / 歯の移動 / 意図的再植 / 低出力超音波照射 / 骨形成 / 歯根吸収 / 骨ラベリング剤 / 上顎急速拡大 / 低出力超音波 / 急速拡大 / 歯の再植 / ラベリング / あと戻り |
研究概要 |
本研究に用いた雄性ビーグル幼若犬においてはすべての個体に上顎の急速拡大を行った。その際、低出力超音波振動装置を用いた実験群は非照射の対照群に比べ拡大した歯の後戻りが少なく、また両群の縫合部の幅に差が見られないことから、実験群において拡大された部位は新生骨に置き換えられ維持されていることが示唆された。また、実験群では蛍光顕微鏡像により広範囲な骨標識剤によるラベリングが観察されていることにより、活発な骨の形成が起こっていたであろうと推測される。 これは、低出力超音波照射により口蓋縫合部の新生骨形成時に起こる複数の細胞反応において効果があり、骨形成の促進が起こったと推測できる。 拡大後の新生骨への歯の移動について、実験群ではすべての歯種において根面ラベリング率が対照群よりも大きいことより、骨改造がより活発に行われていることが示唆された。さらに、意図的再植歯に対しては、低出力超音波照射によって歯の吸収が抑制される傾向が明らかに認められ、意図的再植後の歯周組織の創傷治癒に対して有利に作用する可能性が伺われた。 以上のことより、低出力超音波パルス照射により上顎急速側方拡大後の新生骨形成促進効果があり、拡大後の後戻りを阻止した可能性が示唆された。また、矯正学的歯の移動に伴う歯槽骨の改造現象を活性化したり、意図的再植歯の歯根吸収を抑制する可能性が伺われた。 ただし、本研究では実験動物数が少ないことや、拡大を行っていない真の対照群が無い、あるいは縦断的な実験が行えていないなどの欠点が挙げられ、今後更なる追加実験による研究が不可欠であると考察している。
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