研究課題/領域番号 |
13771317
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
伊海 博之 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80277904)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 低出力超音波パルス / 歯肉剥離掻爬術 / 歯周組織再生 |
研究概要 |
本年度は、初年度より継続して行っている脱灰操作を完了し、摘出した組織塊をパラフィン包埋した後、頬舌断連続切片を作製し、Hematoxylin-Eosin染色、Masson's trichrome染色を施し、病理組織学的に観察を行った。また、組織計測としてルートプレーニング最根尖側端から最歯冠側端までの長さを基準(100%)とした時の、歯肉退縮抑制率、接合上皮深部増殖抑制率、新生セメント質形成率、新生骨形成率、歯根吸収率、骨性癒着率について算出し、Mann-Whitney's U-testにて統計学的分析を行った。 病理組織所見として対照群においては、接合上皮の深部増殖が認められ、新生セメント質の形成は掻爬根面の1/3程度、新生骨は骨欠損底部付近に限局してわずかに観察された。実験群においては、接合上皮は掻爬根面の歯冠側1/4程度で停止し、新生セメント質の形成は掻爬根面の2/3程度、新生骨は1/4程度まで認められた。また、歯根吸収は両群においてわずかに認められ、骨性癒着は全く観察されなかった。 統計学的分析結果として、歯肉退縮抑制率および歯根吸収率は両群における有意差が認められなかったのに対し、接合上皮深部増殖抑制率は実験群おいて有意な深部増殖抑制が認められ、新生セメント質形成率および新生骨形成率においても実験群で有意な形成率を示した。 本研究結果より、対照群と比較して実験群において新生セメント質および新生骨の良好な再生が認められたことから、歯根膜由来細胞あるいは骨形成能を有する細胞に対し、低出力超音波パルスの機械的刺激作用が生じたものと考えられる。結論として、歯肉剥離掻爬手術後の創傷部に対し、低出力超音波パルス照射を応用することは、歯周外科手術において極めて侵襲の少ない再生療法となる可能性が示唆された。
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