研究課題/領域番号 |
13771385
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
池本 敦 名古屋市大, 薬学部, 助手 (60295615)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | α-リノレン酸 / n-3系列脂肪酸 / ドコサヘキサエン酸 / アラキドン酸 / 2-アラキドノイルグリセロール / カンナビノイド / 学習能 / 摂食行動 |
研究概要 |
α-リノレン酸欠乏のサフラワー油(Saf)を2世代に渡ってラットに与えると、高α-リノレン酸のシソ油(Per)を与えた群と比較して、脳内DHA含量が半減するのに伴って明度弁別学習能が低下する。しかし、Saf群の2世代目離乳期よりDHAを投与したところ、脳内DHA含量はPer群のレベルまで回復したが、学習能は回復しなかった。この時Saf群では、アラキドン酸等のn-6系列脂肪酸の脳内レベルが高い値を示していた。そこで、Saf群の2世代目離乳期よりDHAの投与に加えて、摂取するn-6系列脂肪酸の量を減らしたところ、脳内n-6系列脂肪酸含量はPer群のレベルに低下し、学習能もPer群のレベルに回復した。このことから、α-リノレン酸欠乏による学習能の低下には、n-6系列脂肪酸の脳内レベルの増加が関与していることが示唆された。 アラキドン酸由来の生理活性物質である2-アラキドニルグリセロール(2-AG)は、カンナビノイド受容体(CB1)を介して海馬のシナプス長期増強を抑制する。アラキドン酸含量の差を反映して、Saf群の脳内2-AGはPer群の約2倍のレベル存在した。この2-AGの増加がCB1を介して学習行動に影響を与えているかどうかを調べるために、CB1アンタゴニスト(SR141716A, SR)の投与の効果を調べた。Saf群で観察された摂食行動の亢進と自発運動量の増加はSRで抑制されたが、学習能には回復は見られなかった。以上より、学習能の低下はカンナビノイド受容体の機能では説明できないことが示された。一方で、カンナビノイド受容体を介して、脳内アラキドン酸含量の増加が摂食行動や自発運動量の増加に関与していることが明らかになった。
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