研究課題/領域番号 |
13771394
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
岡田 直貴 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (90312123)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 樹状細胞 / アデノウイルスベクター / 癌免疫療法 / ファイバーミュータント / 遺伝子導入効率 |
研究概要 |
補助金交付を受けた平成14年度の研究により、樹状細胞(DC)免疫療法におけるRGDファイバーミュータントアデノウイルスベクター(AdRGD)の有用性について、以下に示す新たな知見を得た。 1.AdRGDによるマウス骨髄由来DC(mBM-DC)への遺伝子導入効率 mBM-DCにおいてはcoxsackie-adenovirus receptor (CAR) mRNAの発現が検出されず、一方、α_vβ_3あるいはα_vβ_5インテグリンのmRNA発現は十分に認められた。本結果を反映して、α_vインテグリン指向性を付与したAdRGDは、従来型Adと比較して、mBM-DCへ極めて高い効率で遺伝子導入できた。 2.AdRGDによりメラノーマ関連抗原(gp100)遺伝子を導入したmBM-DCの抗メラノーマ効果 AdRGDによりgp100遺伝子を導入したmBM-DCをワクチン接種したマウスにおいては、従来型Adを適用した場合と比較して、マウスB16BL6メラノーマの増殖ならびに肺転移がより強力に抑制され、さらに、NK活性およびgp100特異的CTL活性のより効果的な誘導も認められた。 3.AdRGDによりgp100遺伝子を導入したmBM-DCの腫瘍免疫誘導機序 in vivo depletion analysisを行った結果、AdRGDによりgp100遺伝子を導入したmBM-DCのワクチン接種により誘導される腫瘍免疫においては、NK細胞とCD8^+CTLが主要なエフェクター細胞であることが判明した。また、これらエフェクター細胞の十分な活性化は、免疫誘導相におけるCD4+T細胞のヘルパー機能に大きく依存することも明らかとなった。 以上の知見は、AdRGDを用いたDCへの効率の良い腫瘍関連抗原遺伝子導入が、DC免疫療法の有効性向上に繋がることを強く示唆するものである。今後、AdRGDのDCへの遺伝子導入における優位性を生かして、種々の遺伝子修飾を施したDCによる新規免疫療法の開発を試みる予定である。
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