研究課題/領域番号 |
13771411
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永岡 真 京大, 化学研究所, 助手 (60314275)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 亜鉛フィンガー / 遺伝子発現制御 / ニッケルフィンガー |
研究概要 |
【H_4型亜鉛フィンガーの創製】 亜鉛フィンガー型転写因子のDNA結合の制御もまた、遺伝子発現制御の1つの標的となりうる。例えば亜鉛の代わりに酸化還元の起こりやすい銅が結合した銅フィンガーをDNAに結合させることができれば、酸化還元によりDNAへの結合を制御することが可能となる。そこで、亜鉛フィンガーの2つのシステイン残基と2つのヒスチジン残基とをすべてヒスチジン残基に置換し、タンパク質に対する酸化還元の影響を排除したH_4Sp1を構築した。その結果、H_4Sp1の亜鉛結合体は標的DNA配列に野生型と同様の結合様式を示した。現在のところH_4型亜鉛フィンガーは自然界において発見されていないが、今後ヒトを始めとした種々の生物のゲノム情報が解明されるにつれ、新たに発見される可能性もある。 【C_2H_2型ニッケルフィンガーの活性評価】 ヒスチジンとニッケルとの親和性は極めて強いため、前述のH_4型フィンガーにはニッケルが結合する期待が持たれる。そこで、その前段階として天然型のC_2H_2型亜鉛フィンガーの亜鉛をニッケルに置換したC_2H_2型ニッケルフィンガーの構築とその活性評価を試みた。その結果、C_2H_2型ニッケルフィンガーはC_2H_2型亜鉛フィンガーと同様の高次構造を形成し、DNAに結合することが分かった。しかしながら、種々のDNA配列への結合親和性を検討したところ、C_2H_2型ニッケルフィンガーの最適結合配列は、C_2H_2型亜鉛フィンガーのそれとは異なっていることが判明した。以上の結果はH_4型ニッケルフィンガーを構築するうえで、極めて有用な情報を提供するものと思われる。このような、新規金属フィンガーの創製は、酸化還元型転写因子等の新たな遺伝子発現制御分子の構築を通じて、近い将来、遺伝子発現がその発症に関わる疾病などに対して、多大な貢献をする期待が持たれる。
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