研究課題/領域番号 |
13771419
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
三浦 ゆり (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・老化レドックス制御研究グループ, 研究員 (00216574)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 酸化的ストレス / 老化 / 細胞応答 / プロテオーム解析 / 活性酸素 / p53 / グリア細胞 / シグナル伝達 / 過酸化水素 / グルタチオン / 細胞増殖 |
研究概要 |
平成14年度は、低レベル酸化的ストレスによる細胞応答を分子レベルで明らかにするため、細胞内シグナル伝達経路の解明とプロテオーム解析の両面から解析した。 1.若齢ラットのグリア細胞で認められた適応応答は、ataxia-telansiectasia mutated(ATM)及びDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNAPK)の欠損あるいは変異マウスの細胞では認められないことから、この適応応答にはATM及びDNAPKが関与していることが示唆された。そこで、これらの基質であり細胞周期の制御やアポトーシスシグナルの要であるp53に着目し、低レベル酸化ストレスによるp53のリン酸化とそれに及ぼす加齢の影響について検討した。月齢の異なるラットからグリア細胞を培養し、0.1Gyあるいは5GyのX線を照射した後、経時的にタンパクを抽出し、抗phospho-p53抗体を用いたウェスタンブロットにより解析した。その結果、5GyのX線照射により、若齢ラット及び老齢ラットのグリア細胞でp53は速やかにリン酸化され、このリン酸化には加齢の影響はほとんど認められなかった。また、0.1Gy照射によってもp53はリン酸化されることが明らかになった。 2.低レベル酸化ストレスによるタンパク発現の変化を調べるため、細胞から全タンパク質を抽出し二次元電気泳動によるプロテオーム解析を行った。一次元目は固定化pH勾配等電点電気泳動、二次元目はSDS-PAGEを行い、銀染色した後、画像解析ソフト(PDQuest)を用いてディファレンシャルディスプレーを行った。タンパクの同定は、CYPRO-Rubyにより蛍光染色した後、スポットカッターを用いてゲルを切り出し、トリプシン消化後MALDI-TOF質量分析装置を用いてペプチドマスフィンガープリンティングを行い、データベースと照合した。過酸化水素1μM処理により、若齢ラットの細胞で発現が変動するスポットを見いだした。このスポットの発現増加量及び時間経過は、老齢ラットの細胞では若齢ラットの細胞と異なっていた。
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