諸般の事情により今年度は所属施設を異動せざるを得なかったため、最終的に研究期間内には、一卵性双生児例1組、姉妹例2組、姉弟例1組、男児例3例(姉弟例の弟を含む)、剖検例1例を含む合計73症例を全国から集積し分析し得た。 そのうち、一卵性双生児例1組、姉妹例2組、姉弟例1組、剖検例1例を含む合計48例(約66%)で、点突然変異13種類(一卵性双生児例1組と姉妹例1組及び姉弟例1組を含む36症例)、small deletion 9種類(姉妹例1組と剖検例1例を含む10症例)、smal insertion 1種類(1症例)、splicing mutation 1種類(1症例)の合計24種類のMECP 2 (Metyl CpG-binbing Protein 2)遺伝子の変異を認めた。 そのなかでは、T158M (473C→T;7症例)、R133C(397C→T;姉弟例1組を含む5症例)、R255X (763C→T;4症例)、R294X (880C→T;一卵性双生児例1組を含む4症例)、R106Q (317G→A;姉妹例1組を含む3症例)、R168X (502C→T;3症例)、R306C (916C→T;3症例)が比較的頻度の高い変異であったが、残念ながらまだ集積症例数が不足し、MECP 2遺伝子の変異及びX染色体の不活化と症状の間に、一定の傾向を見出すまでには至らなかった。 今後とも症例の集積を継続し、当初の目標を達するまで継続する予定である。
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