研究課題/領域番号 |
13771442
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
中川西 修 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (50296018)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ビタミンB_1 / 記憶学習障害 / 加味温胆湯 / 受動回避反応装置 / 高架式十字迷路 / ビタミンB1 / うつ行動 / 強制水泳試験 / 疼痛感受性低下 / ホルマリン試験 |
研究概要 |
前年度の研究でビタミンB_1欠乏(Thiamine deficiency : TD)食で飼育した際、うつ行動及び記憶関連行動障害といった精神異常行動が認められ、特に記憶障害は脳内コリン神経の非可逆的な変性が重要な役割を担っていることを明らかにした。一方、漢方薬である加味温胆湯が他の記憶学習障害モデルにおいて改善作用を有することが報告されている。本年度は、TD食誘発性記憶関連行動障害に対する加味温胆湯の影響について検討した。その結果、TD誘発性の記憶関連行動障害は飼育20日目において、受動回避反応装置及び高架式十字迷路で認められ、この障害は加味温胆湯を飼育初日から与えることにより防ぐことができたが、10日目から処理しても有意な抑制効果は認められなかった。この記憶学習障害に対する作用と脳内コリン神経系機能との関連性を明確にする為にコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)の分布を特に海馬に焦点を絞り画像化して比較・検討した。記憶関連行動障害を発現しているTDマウスのChAT濃度は、海馬全域で顕著に低下していた。加味温胆湯を処理して記憶関連行動障害の抑制効果が認められたマウスでは、このChAT濃度はコントロールと同じレベルであった。 前年度及び本年度の結果より、TDマウスが情動異常を伴う記憶関連行動障害を呈し、アルツハイマー病の疾病動物モデルとしての有用性が示唆された。また、加味温胆湯を早期から与えることによってこれらの症状は抑制され、そのメカニズムとして脳内コリン神経の機能低下を防御している可能性が示唆された。 尚、上記に示した結果は、現在Neuroscienceへ投稿中である。
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