研究概要 |
本研究では入院日数が減じられ,在宅での治療・療養を余儀なくされている患しゃの治療援助として患者の「安心感を増大」させるため,さらに,「訪問看護師にも時間のゆとり」が持てるように,「病状観察・情報収集」を,訪問看護施設側から遠隔模擬対面看護可能な在宅看護支援実験システムを構築し,転送実験を行った. 本構築実験システムは患者宅と施設側とを想定した両システムで構成した。患者宅システムと施設側システムとの情報伝送にはISDNを用いた.施設側に伝送された患しゃの体温や血圧など,日々のバイタル情報を施設内に保管されている当該患者の医用画像などの医療情報に自動連結し,チャート表示できるようにし,経時的な変化を一見できるシステムとした。また,訪問看護師や主治医と患者との対面診断を模擬するために,双方のシステムにカメラを設備した。また,双方向カメラを通じ,在宅患者の表情や顔色などの観察や話し方などから患者の様子が施設側からリアルタイムに把握できた。 患者宅で測定されたバイタル数値情報(体温,脈拍,血圧値等)は入力によるため,入力ミスや入力困難が生じるため,測定器具と本システムが連動できることが望ましい.施設側から患者の様子が直接把握できることから,「病状観察・情報収集」や療養指導・相談(本人・家族)」に時間を費やさず,「訪問看護者にも時間のゆとり」が生じると考えられる。また,患者や家族は緊急時も含めていつでも施設に連絡する事ができるため,患者の「安心感の増大」が図れると考えられる。今後,本構築実験システムをフィールドにて試行する必要がある。
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