研究課題/領域番号 |
13771551
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 慶應義塾看護短期大学 |
研究代表者 |
添田 英津子 慶應義塾看護短期大学, 小児看護学, 助手 (70310414)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 生体部分肝移植 / QOL / ドナー / 生体ドナー / SF-36 / 移植看護 / 移植コーディネーター |
研究概要 |
はじめに:1997年に臓器移植法が施行されたが、脳死ドナーからの臓器提供者は少なく、国内の肝移植は生体ドナーにたよらざるを得ないのが現状である。本来健康なドナーの身体にメスを入れる生体部分肝移植は、手術の安全性ばかりでなく臓器提供後のQuality of Life(以後QOLと略す)を包括的に評価することは大切である。 方法:1995年から2002年まで慶應義塾大学病院において生体部分肝移植ドナーとなり術後3ヶ月以上経過した46名に対し、術後ドナーのQOLを評価するためのアンケート調査を行った。アンケートはドナーに直接郵送し、無記名による回答を原則とした。 結果:回答者は41名(89%)身体的には全体の69.0%が術後「術前の健康状態に完全に回復した」と答え、32.0%はまだ「完全には回復していない」と答えた。興味深いことに、2人(5%)が「術前の健康状態よりよくなった」と答えた。これは、生体ドナーとしてより安全に手術がうけられるための禁煙や、肝臓を最適な状態に維持するための禁酒や、脂肪肝に対する運動療法により減量などが影響していた。社会的には、全てのドナーが社会復帰をしていた。術後平均17.3(SD±11.4)週間で「完全に回復した」と答えており、術後8.1週間(SD±7.8)で社会復帰していた。しかし、約半分のドナー(53.0%)は、生体ドナーとなったことによって収入が減り、有給休暇も利用されなかった。また、自由意志で生体ドナーになるために、ドナーには保険の適応はなかった。精神的には、多くのドナー(88.0%)は生体ドナーになったことに「満足している」と答え、12.0%が「わからない」と答え、「満足していない」と答えたドナーはいなかった。 まとめ:(1)身体的には、症状が残るもののよく改善し健康感も高い、(2)社会復帰はしていたが、一方で経済的損失がある、(3)生体ドナーとなり臓器を提供したことに対して満足していないドナーはいなかった。
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