研究概要 |
平成15年3月1日現在,全国のNPO法人数は1万団体を越えた。このうち健康・スポーツ系NPO法人数は,約1割の999団体である。1年前の同時期には458団体であった。999団体の中で実際に専従スタッフを雇用している団体は,約1割にも満たない結果であった。 健康・スポーツ系NPO法人は,次の3つのタイプに類型化することができた。「スポーツ実践型」「スポーツ事業型」「スポーツ支援型」である。3つのタイプにおける専従スタッフの雇用状況とその社会的効果について,代表的なスポーツNPO法人の関係者にインタビュー調査をし,次のような知見が得られた。 雇用創出には,会費収入や規模の小さな寄付金・賛助金では困難であり,国や財団の助成金またはスポンサーとなる企業や行政機関の財源に大きく依存していることであった。ただ,NPO法人側にも問題点が多く,労働基準法において定められている10名以上の雇用者の事業所に義務付けられている就業規則等の知識に乏しく,また雇用者が10名以上に満たないため,就業規則作成をしないまま雇用しているという問題点も浮き彫りとなった。今後,スポーツNPOが労務管理事務所や社会保険労務士との協働を通じて,スポーツNPO同士が情報交換をして,就業規則の作成に関する知識の共有とさらには,そうした実践的事例の蓄積と検証を経てい<ことが求められる。
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