研究課題/領域番号 |
13780049
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 大和学園聖セシリア女子短期大学 |
研究代表者 |
中川 直樹 大和学園聖セシリア女子短期大学, 幼児教育学科, 講師 (00320838)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 両側同時運動 / ^<31>P-MRS / 筋線維動員パターン / 両側性同時運動 / 酸素消費 / 前腕屈筋群 / 近赤外分光法 |
研究概要 |
【緒言】両側同時に最大筋力を発揮した時の一側あたりの筋力は、一側単独で発揮した最大筋力よりも低下する両側性機能低下という現象が報告されている。筋出力低下のメカニズムのなかで、末梢性要因としては運動単位活動の選択的抑制が報告されている。筋線維動員パターンを推定する方法として、^<31>P-MRSにおける無機リン酸(Pi)のピークの分裂パターンから判断する方法が知られている。そこで我々は、最大下負荷で疲労困憊まで行った持続的な静的両側同時掌握運動時には、同負荷を一側単独で行った時と比較してST筋線維の動員が低下するという仮説を立て、^<31>P-MRSにより本運動形態が活動筋の筋線維動員パターンに及ぼす影響について検討することを目的として研究を行った。【研究方法】被験者は健康な成人男性5名とした。被験者は上腕外転90°の座位姿勢にてハンドグリップエルゴメータを用いて一側単独および両側同時にて最大筋力の40%に相当する錘を垂直方向に3cm持ち上げた状態をall-outまで維持する静的掌握運動を行った。^<31>P-MRSにより測定する腕は常に右腕とし、クレアチンリン酸(PCr)、アデノシン3リン酸(ATP)およびPiの相対濃度を求めた。Piピークが分裂した場合には、これまでの先行研究を参考に各ピークがhigh-pHピーク(pH値6.8以上)とlow-pHピーク(pH値6.7以下)の領域に分かれているかについて判定し、この条件に当てはまる場合には2ピークの波形として扱った。細胞内pH値はPCrを基準としたPiの化学シフト値からTaylorらが示した式により算出した。【研究結果と考察】5名の被験者の内3名は一側運動時にはPiピークの分裂が認められたものの、両側運動中にはPiピークに分裂が認められなかった。この3名のpH値の変化を時間に対するプロットで示すと、両側運動時のpH動態は、一側運動時に得られたPiピークの分裂データからhigh-pHピーク値の動態を除いた、low-pHピーク値動態と同様な傾向を示した。この結果は、両側運動時においてhigh-pHピーク値に影響を及ぼすST筋線維動員の低下を反映するものと考えられる。
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