研究課題/領域番号 |
13780069
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
高岡 貞夫 専修大学, 文学部, 助教授 (90260786)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 氾濫原 / 沖積錐 / 攪乱 / 河畔林 / 地形・地質 / 林床植生 / 年輪解析 / 地表撹乱 / ササ |
研究概要 |
沖積錐における土石流を主とする地表撹乱と林床植生の対応関係を検討した昨年の結果を踏まえ、今年度は梓川本流の氾濫原全体を調査対象とし、沖積錐も含めた河畔域全体の植生構造について検討した。すなわち、梓川の河畔林が成立する氾濫原の空間分布が流域の地形構成の中でどのように規定され、また、そのような分布構造が河畔林の存在様式とどのような関係にあるのかを検討した。 まず、河畔林が成立する氾濫原幅の広狭は、支流との合流点に発達する沖積錐の発達の度合いと対応していた。沖積錐(崖錐などを含む)の存在する28の流域で流域面積と沖積錐の面積の関係をみると、地質の異なるそれぞれの流域で、沖積錐の発達程度が異なっていた。すなわち砂岩・泥岩からなる堆積岩の流域では流域面積に対する沖積錐の面積が小さく、非堆積岩流域で大きかった。 また、1958年と1999年の空中写真の判読および年輪試料などの解析などから、約50年間に生じた河畔林分布の変化を検討した。その結果、氾濫原に成立する河畔林の存在様式は、氾濫原幅によって異なっていた。すなわち、氾濫原の幅が狭い区間では高頻度に攪乱を受け、一定の範囲の全ての河畔林が破壊されることもあるのに対し、氾濫原の幅の広い区間では成熟林分を含む多様な遷移段階の群落が混在する河畔林が成立していた。 以上を踏まえて、近年設置された梓川本流沿いの堤防などの砂防施設の河畔林への影響を検討し、洪水による撹乱から切り離される堤内地と、実質的に氾濫原幅が縮小されて洪水による攪乱頻度が増大する堤外地の双方で、植生構造に変化が生じることが推定された。
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