研究課題/領域番号 |
13780102
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (10218729)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 科学教育 / 理科教育 / 教育課程 / カリキュラム / 教育改革 |
研究概要 |
本研究では、おもにアメリカの科学教育課程について調査をもとに考察を進めた。 (1)アメリカにおける学校制度やカリキュラムのとらえ方について考察した。 アメリカでは、学校区や学校単位で特色あるカリキュラムを編成することが通例である。また、学校が教科のカリキュラムを構成するにあたり、どのプログラムをベースやモデルとするかは、各学校や教師に委ねられている。プログラムの開発者は、教師が望んで採択したくなるような魅力あるものを提供することを常に念頭においている。 (2)アメリカのカリキュラム研究者のコメントをもとに、カリキュラム研究の視点を探った。 「カリキュラム研究において、大切なことはどのようなことか」という問いに、以下のような回答が得られた。「カリキュラム研究の基礎となるおもな仕事は、学習内容や教材構成に関する研究仮説の設定とその検証である。教育基準の内容を後追いするのではなく、それに先んじたカリキュラム研究をしようと望むならば、研究者と教師が連携して仕事をする研究ティームの編成が必要である。そして、研究成果にもとづくカリキュラムが提案され、それを重視する風潮が教育界に広まっていく必要がある。」 与えられた学習内容や目標をそのまま授業に取り込むのではなく、それらを深く読み解き、創意ある授業の実践が、わが国の理科教育で今まさに求められている。このような状況に対して、示唆を与えるコメントが得られたと考えている。 わが国では、従来から上限的な基準と見なされてきた学習指導要領の解釈に変化が生じた。すなわち、学習指導要領で示されたことを最低基準と見なし、学習内容選択の幅を拡大して、発展的な学習の取り組みも可能にするという、とらえ方の大きな転換である。このような方向になると、基礎・基本の確実な定着から発展的な学習への対応など、幅の広いカリキュラム編成能力が教師に求められることになる。また、研究者にはカリキュラム編成に関する指導力が求められることになるであろう。
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