本研究は、マルチメディアを活用し、映像と音楽を融合したマルチメディア芸術表現の授業モデルを開発することが目的である。平成14年度の研究では、その授業モデルのパターンを考案し、それを検証するための授業実践を行った。作品の一部はホームページとしての公開を試みた。代表的な授業モデルとして、次の3つのモデルをあげた。 ○コンピュータで描く静止画+静止画のイメージに合う音楽 小・中学校の児童・生徒を対象としている学校向けのグラフィックとミュージックの機能を兼ね備えたソフトウェアを活用する。限られた時間の中で誰もが簡単に制作できること、さらにネットワークを通じた鑑賞活動できることは成果であった。 ○紙に描く静止画+静止画のイメージに合う音楽 画用紙に描いた絵をスキャナで読み込み、そのイメージに合わせて音楽を制作する。美術の時間に制作した作品をそのまま使用することができるが、限られた台数のスキャナで読み込むため、作業時間がかなりかかってしまった。さらに画像データ処理の問題もあるが、子どもたちの豊かな感性をそのまま表現できるというメリットがある。 ○ビデオカメラで撮影した動画+動画に合わせた音楽 風景を中心とした動画を素材とし、それに合わせて音楽を制作する。デジタルビデオや動画処理ソフトの台数が限られていること、動画の取り込みに時間がかかること、さらにデータが重くなってしまうこと等の問題点があるため、一部の生徒での実践を試みた。動画に合わせて音楽を制作することの難しさもあったが、生徒たちは意欲的に取り組んでいた。
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