研究課題/領域番号 |
13780148
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
土屋 直人 岩手大学, 教育学部, 講師 (10318751)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 修身科 / 公民科 / カリキュラム / 国定修身書 / 郷土教育 / 生活教育 / 公民読本 / 実業補習学校 / 修身科教育 / 国民科教育 / 国防教育 / 国際法教育 / 公民科カリキュラム |
研究概要 |
本年度においては、当該課題に関する基礎的作業として、第一次資料の収集とその分析を行い、また、岩手県内の一地方における実際の昭和戦前期の教育実践について検討を加えた。 第一に、当該課題に関する基礎的作業として、大正末期の修身科・公民科の教科書、そしてそれらの歴史的背景にあった、明治後期において実際に各地方において使用されていたとされる公民読本等の閲覧と、その分析という基礎的作業を行った。その成果は、大正末期実業補習学校公民科内容「国交」に関する教科書記述内容を検討した論文1本、そして、明治後期の公民読本の「外交」「戦争」記述を検討した論文2本としてまとめた。特にその後者に関して、竹越與三郎『人民讀本』は、明治後期の立憲国民育成の公民読本として刊行されていたものの最も初期のものであり、その後の大正期公民読本において模倣される重要な読本であると判断し、同書における「外交」記述と「戦争」観については、一つの独立した論文としてその検討の成果をまとめている。 また第二に、本年度においては、岩手県の遠野市に赴き、資料収集と聞き取り調査を行い、昭和戦前期の遠野尋常高等小学校における修身科教育実践、郷土教育実践について検討し、それを論文1本としてまとめた。同校の実践は、従来の教育実践史研究の領野ではほとんど注目されていないが、大正自由主義教育の流れを汲む児童中心の「生活教育」実践として、その修身科・公民科・地理科実践は着目するに値すると考え、検討を試みた。この研究は、当時の遠野という一地方において構想されていた、尋常・高等小学校における学校・学級経営を検討したものであるが、その訓育と学級経営に重きを置いた実際の修身科カリキュラムの検討として有意義なものであると考える。 これらの研究では、明治後期から大正末期頃の修身・公民教育内容としての「国交」の特質を確認することができたとともに、他方では、第一次資料の閲覧・収集が予想を超えて難航したものの、特定の地域・学校における、昭和初期の修身・公民教育実践の実態の一端を明らかにすることができた。
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