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学校数学における「数学の文化史」の導入について

研究課題

研究課題/領域番号 13780149
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 教科教育
研究機関佛教大学

研究代表者

黒田 恭史  佛教大学, 教育学部, 助教授 (70309079)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード数学の文化史 / 幾何教育 / 数学教育 / 空間認識 / 近赤外分光法 / 洛中洛外図 / 大学教育 / 中等教育
研究概要

本研究では,数学の文化史の学校数学への導入の理論的考察,及び具体的な実践例について主に三つの観点から考察を行った。以下,具体的な研究成果について記す。
1.文化財・文化伝承の数学的分析(洛中洛外図)
洛中洛外図は,主に16〜17世紀頃に制作された絵画であり,大画面の屏風絵と扇子状の扇面が有名である。これらの絵画を対象に,画法の特徴を数学的立場から分析し,絵画の特徴を検討した。その結果,屏風では,画面の上下の位置によって人物の大きさや建物の奥行きを示す稜線の角度を変更しており,斜投影法を基調としつつも数学的遠近法が活用されていることが明らかになった。また,扇面については,画像をコンピュータに取り込み,独自に開発したプログラムによって画面を長方形に変換すると,その中に描かれた図は斜投影法を基調に描かれていることが明らかになった。
2.空間認識についての研究(描画,平面における運動)
小学校5年生の描画を対象に,奥行きの表現における描画の特徴について検討した結果,事物の重なり,曲線と直線の積極的な組み合わせ,色の濃淡による空気遠近法の活用等の工夫が見られた。
また,近赤外分光法測定装置を用いて,大学生を対象に平面における運動の認知特性を脳生理学的側面から分析した。その結果,課題遂行時における透明シートの活用の有無によって脳のHbの変化量が異なっており,両者の試行が脳内では異なる活動として処理されていることが明らかになった。
3.「数学の文化史」の教育実践(中学生,日中の高校生,大学生)
上記1,2の研究成果をもとに開発した「数学の文化史」の教材を,中学生,日本と中国の高校生,及び大学生に実践した。その際,情報通信機器の積極的な活用も行った。その結果,学習者は,数学の学習はもとより,数学の背景となる文化や彼らの身近な生活と数学の結びつきを強く感じるようになった。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (19件)

  • [文献書誌] 黒田 恭史: "小学校高学年における空間認識の特徴について-描画・切り絵における遠近の表現を中心として-"数学教育学会誌. Vol.42 No.3・4. 41-54 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 柳本 哲: "「日中遠隔協同学習」に投影された日本の数学教育の課題(I)"数学教育学会誌. Vol.42 No.3・4. 15-24 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 柳本 哲: "「日中遠隔協同学習」に投影された日本の数学教育の課題(II)"数学教育学会誌. Vol.42 No.3・4. 25-32 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "洛中洛外図屏風に見られる画法の特徴について"佛教大学 教育学部論集. 第14号. 111-120 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "近赤外分光法(NIRS)を用いた図形学習時の脳活動についての研究-図形の念頭操作と実物操作時の脳活動の変化-"佛教大学 教育学部学会紀要. 第2号. 163-175 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] KURODA Yasufumi: "Comparison of fan side pictures in Japan and China"The Third International Conference on Mathematics Education and Cultural History of Mathematics in this Information-Oriented Society. 165-168 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "作図からみた扇面における画法の特徴ついて"数学教育学会 秋季例会発表論文集. 臨時増刊. 86-88 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "Webを活用した算数科教育法のあり方"日本教育工学会 第18回大会講演論文集. 619-620 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "一般教養科目(数学)における参加型学習システムの構築"日本教育実践学会 第5回研究会発表論文集. 106-110 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "座席配置にみる教育観の変容について-江戸時代と明治時代の比較を通して-"日本教育実践学会 第5回研究会発表論文集. 111-115 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "学習者の知識共有・創造を目指した算数科教育法"日本教育工学会 研究報告集. JET02-6. 35-42 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 黒田 恭史: "問題解決過程における学習者の特徴について-平面図形における運動を中心として-"数学教育学会春季年会 発表論文集. 臨時増刊(印刷中). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 横地 清: "中学校数学+総合学習2 国際理解の展開"明治図書. 122 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] (1)黒田恭史: "小学校高学年における空間認識の特徴について -描画・切り絵における遠近の表現を中心として-"数学教育学会誌. Vol.42No.1・2(受理済,印刷中). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] (2)黒田恭史: "洛中洛外図扇面にみられる画法の特徴について"佛教大学教育学部論集. 第13号. 123-133 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] (3)黒田恭史: "洛中洛外図扇面に見られる画法の特徴"2001年度数学教育学会 秋季例会 発表論文集. (臨時増刊). 83-85 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] (4)黒田恭史: "折鶴と数学(4)-正方形の一辺の三等分問題-"2001年度数学教育学会 秋季例会 発表論文集. (臨時増刊). 100-102 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] (5)黒田恭史: "「馬車」の描画に見られる画法の特徴について -エジプト時代からローマ時代における「馬車」の描画の変遷-"2001年度数学教育学会 春季年会 発表論文集. (臨時増刊,受理済,印刷中). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] (6)黒田恭史: "オンライン学習の実際とその有効性について -大学における一般数学の授業を対象として-"2001年度数学教育学会 春季年会 発表論文集. (臨時増刊,受理済,印刷中). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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