研究課題/領域番号 |
13780161
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
坂口 和寛 信州大学, 人文学部, 講師 (70303485)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 類義語分析 / 日本語母語話者 / 例文作成行動 / 例文作成ストラテジー / ストラテジー訓練 / 副詞 / 日本語分析 / 日本語教師 / 日本人大学生 / 例文作成 / 例文分析 / ストラテジー |
研究概要 |
前年度までに行った調査とその分析から、日本語教師と日本人大学生の類義副詞分析に見られる例文作成、そして例文分析の特徴と違いを明らかにした。そのうち、特に日本人大学生の分析過程に見られた、『例文を連続的・連鎖的に作成しない』という特徴に焦点を当て、連続的・連鎖的な例文作成の促進をねらった教示を作成した。教示では、2種類の例文作成ストラテジーについて説明がなされる。それによる例文作成行動への意識化が、非教師の日本語母語話者、つまり日本語を客観的に分析した経験のない日本語母語話者の類義語分析過程に与える影響を探った。そして、例文作成ストラテジー使用の有効性との関係についても検討した。 被験者の日本人大学生30名を2群にわけ、一方の群にのみ例文作成ストラテジーに関する短時間のモジュール型訓練を行った。訓練では、教示によって例文作成への意識化を図り、その具体化としての練習を行っている。被験者は類義語分析課題を発話思考法を行いながら3題解く。その録音発話を文字化してプロトコルを作成し、そこから分析過程と分析結果を調べた。訓練を行った群では例文作成行動が意識的に行われ、例文数の増加という変化が見られたものの、分析の成果においては大きな影響がなかった。その原因としては、例文分析の不十分さが第一に挙げられる。また、例文作成という作業自体に注意が向きすぎ、類義語の特徴を探るという目標があいまいになったことも一因である。例文から引き出した情報を抽象化して類義語の弁別的特徴を探るという手順を促し、かつ円滑に実現させる教示と練習の作成が大きな課題である。
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