研究概要 |
1.工学的な応用を考える上でしばしば要求されるのが分解可能性と巡回性という二つの性質である.今年度は,これらの性質に関連したブロック計画として,1-rotationally even-cycle systemの存在と構成問題について研究を行った.研究の遂行には台湾のH.-L.Fu, C.-M.Fuの協力も得て,研究代表者らが1-rotationally resolvable 4-cycle systemの存在条件を求めた際に用いた手法(extended Skolem sequenceという系列を用いる)をブロックサイズが偶数の場合にまで一般化することによって存在のための必要十分条件を明らかにした.この結果は現在投稿中. 2.上記1ではブロックサイズが偶数の場合を扱ったが,これとは別に3-cycle systemの特殊系としてMendelsohn三項系の存在についても分解可能性と巡回性という観点からある種の存在系列を求めた. 3.2部ブロック計画の関連計画として,巣構造を持つ釣合い型不完備ブロック計画(BIB design with nested rows and columns)の構成についても研究を行い,既存の方法では構成できないパラメータ系列について存在を保証する構成法を与えた.この研究については今後も継続して行っていく予定である.
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