研究課題/領域番号 |
13780178
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
高木 祥司 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (00231390)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 多母数モデル / 漸近2次許容性 / パラメトリゼーション不変性 / パラメータ直交性 / matching prior / パラメータ直行性 |
研究概要 |
興味あるスカラーパラメータと局外パラメータベクトルを含む、多母数モデルにおいて、興味あるパラメータの漸近2次推定問題について研究を行なった。特に、修正された最尤推定量の族から、望ましい推定量として、どのような推定量を選べばよいかという問題について、漸近2次許容性という基準のもとで考察した。このとき、大きな問題点として、一般に、推定量の漸近2次許容性はパラメトリゼーションのもとで不偏ではない。つまり、あるパラメトリゼーションのもとで漸近2次許容的なある推定量は、別のパラメトリゼーションのもとでは、その望ましい性質をもたなくなるかもしれない。そこで、この研究では、パラメトリゼーションに関係なく、常に、漸近2次許容性をもつ推定量の構成を試みた。しかし、こうした多母数モデルでは、局外パラメータの影響が大きく、推定量が漸近許容性をもつかどうかの必要十分条件は、あまりに複雑で一般的には構成することが難しく、また条件の判定も困難である。そこで、興味があるパラメータと局外パラメータが直交するモデルを考え、この単純化されたモデルのもとで、直交性を保ったパラメトリゼーションによらず漸近2次許容性をもつ、ある推定量の一般形を得ることに成功した。さらに、その推定量とベイズ推定量との関係について考察を行なった。そして、一つの結論として、この研究で得られた推定量は、matching priorと呼ばれる事前分布に基づくベイズ推定量と、漸近的に同等になることが示された。このことは、望ましい推定量がベイズ理論から特徴付けられることを明らかにしただけではなく、ベイズ推定理論の立場から見れば、matching priorは、事前分布の選択方法として、非常に意味のあるものであることが証明されたことになる。
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