研究概要 |
Wind通信機構をギガビットイーサネットで接続したPCクラスタに適応し,並列アプリケーションおよび並列化コンパイラによるアプリケーション開発を行った.本システムは,申請者が過去に開発した分散共有メモリシステムFagusにWindを応用して行った.具体的な応用例としては,ゲノム情報学におけるホモロジー解析を並列に実行するシステムを開発した. 本通信機構は,あらかじめ受信ホストにおいて受信用の仮想アドレス空間を定義し,受信したデータを当該アドレス空間にカーネルが直接マッピングすることで,送受信処理時にコピー回数とコンテキストスイッチを削減する.この方式により送受信時のコストを軽減し,高負荷時でも安定した通信を実現するものである.本研究期間において,この方式に加えて,データグラム通信による同期通信と非同期通信の切り替え機構と到達保証機構を備えた通信プロトコルとして実装した。結果として、到達保証を行う本通信機構と到達保証のない既存のUDPを比較して、同程度のスループットを得た。また、同期非同期をユーザが任意のパケットで指定できる点において、従来のプロトコルよりも優れていると言える。 マルチメディアへの応用として,USBから得た動画像を本通信機構によりリモートマシンに転送し,表示を行うシステムの開発を行った.現時点では,通信機構の安定性の問題により良好な結果を得られていない.今後,通信機構の安定化を図り動画像通信機構の評価を行う.
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