研究概要 |
平成14年度は「1.多数の工ージェントの意思決定を実現するプロトコルの設計」およぴ「2.アプリケーションとしての災害救助エージェントシステムの設計と実装」をおこなった. まず1.については13年度の研究成果を拡張した協調プロトコルを提案した.13年度はエージェントの協調行動をグループ形成により設計する手法を提案した.これをベースに,今年度は全てのエージェントが必要に応じてグループの形成を要請,提案でき,かつ全エージェントが自らの判断によってグループに参加可能なプロトコルへと拡張した.本研究はJoint Intention理論と同じアプローチだが,グループの生成,維持者(リーダ)とグループへの参加者(メンバ)が固定されず自由度が高い.また,この手法によりエージェントの故障によりリーダが故障した場合でも,問題の解決,グループの維持が可能になる.また,プライオリティの導入により同時にグループ形成が提案された場合にも対応できる. 次に2.ついては1.のエージェントをロボカップレスキューのプロトタイプエージェントシステムとして設計実装をおこなった.消火活動は協調行動の例として適切であるので,設計実装の対象として消防隊エージェントを選択した.またJava言語を用いて実装をおこなった.実際のレスキューシミュレータ上での実験から,グループ形成が適切におこなえていることが確認できた.また類似手法のエージェントシステムの実装もおこない,ロボカップレスキューシミュレータ上で比較をおこなった.その結果,グループ形成により消火できる建物数は,道路閉塞などによる環境の変化などに依存するが、本研究のアプローチが有効であることが確認できた.
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