研究概要 |
平成14年度は,次の研究を行い,以下の成果を得た. 課題1:セルオートマトン(CA)の遷移規則学習アルゴリズムの改良 課題2:セルオートマトンモデルの計算環境の一部である,CA専用インタプリタの実装 課題3:セルオートマトンモデルの計算環境の一部である,CA専用コンパイラの開発 課題4:CAを用いた応用研究 課題1の成果:13年度に開発した共進化型学習アルゴリズムに,種の概念を導入し,クラスタリングによる種分類から,先見知識を必要としない汎用的遷移則学習アルゴリズムを開発した.また,ルール分析法を提案し,「密度分類タスク」について,得られたルールを分析した.この結果,人による遷移ルールに比べて,きわめて複雑な構造をもつルールを獲得していることが分かった. 課題2の成果:13年度の試作システムに,GUI部,誤り検出部を加え実装した.CAモデルの遷移則を試行錯誤的に開発する際の,有効な支援ツールとして利用できる. 課題3の成果:MMXテクノロジによる並列化コードを生成するCA用コンパイラの開発を行った.PCに標準的に用意されているSIMDを,アセンブラの知識を必要とせずに利用可能である. 課題4:開発した計算環境により,交通網システムをCA上でモデル化し,交差点設計に関する応用研究を行った.この研究では,交差点の制御系として十字路型とロータリー型が自動生成され,従来の交通網で採用されている交差点の形式を獲得できた.本アプローチの妥当性を検証することができた.
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