研究概要 |
本年度は,作成したシミュレーションサーバを実際に使用し,いくつかのタイプの人工市場についてモデル化と実験を行った.具体的に,本研究によるシミュレーションサーバを用いて,以下のテーマを取り扱うことが可能となった. ・電力自由化における仮想電力市場モデルと制度設計に関する研究 ・強化学習に基づく学習エージェントの構築と均衡価格への収束に関する研究 ・多数・多種のエージェントに基づく人工国際貿易モデルの構築とそのダイナミクスの研究 これらの研究では,本補助金によって作成したサーバを使用し,効率のよいシミュレーションシステムの開発が行えた.特に,エージェントのテンプレートを用意しているので,それを改造することで複雑なモデルが簡単に構築できることを確かめられた.それぞれのモデルは,人工市場研究において重要なテーマであり,この分町の研究の発展に寄与することができた. また,本補助金によって作成したシステムは,オープンソースとしてインターネット上で公開し,この分野の研究者に広く使ってもらうための準備を行った.実際にいくつかの研究グループよりコンタクトがあり,試験的に使用してもらい,システムの汎用性や拡張性を確認した.これらの研究成果について,いくつかの論文を発表し,国内外に広く成果を公表した.2年間という短い期間ではあったが,当初の目標以上の成果をあげることができた.
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