研究概要 |
(1)Landsat, ASTERに代表される従来型地球観測衛星搭載センサによるサンゴ礁観測画像の評価を行い,サンゴ礁環境マップ作成におけるこれらのデータの有効性及び限界を把握した.空間分解能が数十m程度のマルチスペクトル画像では生物群集と非生物群集の分離は比較的確実にできるものの,生物群集の細分類及びその再現性については大きな問題があることが再確認された. (2)将来型地球観測衛星搭載センサとして米国NASA New Millenium Project Earth Observing 1 Hyperionを取り上げ,同センサによる沖縄県石垣島東岸サンゴ礁のリクエスト観測を実施した.この結果,国内初のサンゴ礁ハイパースペクトル画像データ(可視〜短波長赤外域)が取得された. (3)上記(2)のデータ処理/解析のために必要なグラウンドツルースデータを収集するための調査を実施した.この調査には差分型GPSを用いた精密測量を含めた.またサンゴ礁域における海面直上上向き分光放射輝度の測定実験も実施した. (4)上記(2)のデータ処理/解析を通じて,サンゴ礁域のハイパースペクトルデータの処理法がほぼ確立された.また大気/海中の放射伝達シミュレーションにより,今後の衛星搭載ハイパースペクトルセンサの仕様に関する検討も行った. (5)上記(2)のデータ処理/解析により2001年10月の時点での石垣島東岸サンゴ礁環境マップが作成された.このマップの中では,サンゴ/海藻/海草のほか,河川から流入した赤土の分布範囲を示すことができた.
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