研究概要 |
本年度は、前年度で確立されたエストロゲンバンディングアッセイ法である蛍光偏向法を用いて、前年度で単独投与作用を評価された8種類の化学物質の相互作用研究を行った。 8種類化学物質(Nonylphenol,4-Octylphenol, Di-2-ethylhexyl phthalate, Dicyclohexyl phthalate, Di-n-butyl phthalate, Tributyltin chloride, Benzophenone, Octachlorostylene)中、17beta-estrodiolとの相互作用では、Nonylphenol,と4-Octylphenolがともに低濃度処理範囲(単独投与での阻害率が30%以下)の場合、等効果線法での評価が相加的、Concentration Additive Model法での評価が相乗的に作用しているという傾向が見られた。処理濃度が高くなるにつれて、どの評価法においても拮抗的な作用が確認された。17beta-estrodiolとその以外の物質の組み合わせについても、濃度が高くなるにつれて拮抗作用を示す傾向が見られた。また、エストロゲン性を示す物質と示さなかった物質との組み合わせでは、処理濃度範囲に関わらず、拮抗的な作用が確認された。 また、農業地域における植物由来のエストロゲン性物質の内分泌撹乱性の研究も行った。得られた濃度-影響曲線より算出したIC50値より、エストロゲン性の強さはDaidzein(111.56nM)とGenistein(503.83nM)となった。
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