研究概要 |
MCM-41, MCM-48, SBA-1の細孔表面を[1-(2-aminoethyl)-3-ammopropyl]trimethoxysilaneでシリル化し、ethylenediamine基(en)を表面に固定した.この表面官能基を酸性条件でプロトン化したものは,HAsO_4^<2->,CrO_4^<2->を効果的に吸着した.さらにFe^<3+>,Co^<2+>,Ni^<2+>,Co^<2+>でカチオン化するため,それぞれのイオンの塩化物の水溶液で処理したものもこれらオキシアニオンを吸着したが,分配係数および飽和吸着量にはカチオンによって大きな差が見られた.Fe^<3+>, Co^<2+>は非常に大きな分配係数を示す一方,Cu^<2+>によるものはH^+によるものより劣った.またSO_4^<2->による阻害効果もCo^<2+>,Fe^<3+>に関しては小さかった.MCM-41, MCM-48ではFe^<3+>,Co^<2+>、Cu^<2+>に配位したenは1〜2個と考えられるが,SBA-1では大部分のenが金属カチオンを固定しなかった.また、分子中のアミノ基が1つのシラン(NH_2CH_2CH_2CH_2Si(OCH_3)_3)、3つのシラン(NH_2CH_2CH_2NHCH_2CH_2NHCH_2CH_2CH_2Si(OCH_3)_3)をグラフティング法により固定化した修飾MCM-41を合成、HAsO_4^<2->の吸着特性をen型の修飾MCM-41と比較した。H^+型は窒素の数の増大とともにHAsO_4^<2->の吸着量の増大を見たが、Fe^<3+>,CO^<2+>型ではこの関係は成り立たず、金属カチオンの量が吸着量を支配した。
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