研究課題/領域番号 |
13780477
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
松井 淳 甲南大学, 理工学部, 講師 (10264954)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 人工酵素 / 分子認識 / モレキュラーインプリンティング / 高速液体クロマトグラフィー / シンコナアルカロイド / ポリメタクリル酸 / 人工レセプター / ポルフィリン / シンコニジン / 架橋密度 |
研究概要 |
酵素類似機能をもつ人工レセプターポリマー(人工酵素ポリマー)を合成するには、酵素のように内部に疎水的環境をもたせるポリマー設計が重要である。そこで、以下のように鎖状合成高分子(プレポリマー)を用いることにより、高極性・プロトン性溶媒中で機能する人工レセプターポリマーの構築を行った。 重合可能な官能基(4-ビニルベンジル基など)でポリメタクリル酸(PMAA)を修飾し、これをインプリントポリマー前駆体(プレポリマー)として調製した。PMAAのカルボキシル基の一部を修飾し、アルコールに可溶なプレポリマーを得た。このプレポリマーを、モデル標的分子(シンコニジン)と混合して、標的分子-プレポリマー複合体を形成させ、さらに架橋剤エチレングリコールジメタクリレートを添加して加熱することによりポリマーを得た。最後にポリマー内からシンコニジンを抽出した。高速液体クロマトグラフィーを用いて、この人工レセプターポリマーを評価したところ、シンコニジンに対して選択的な結合能を獲得していることがわかった。さらに、側鎖に長鎖アルキル基をもつプレポリマーを用いて同様に調製したところ、緩衝溶液中でもシンコニジンを認識することがわかった。比較のため、メタクリル酸モノマーを用いて同様にポリマーを調製したところ、ほとんど結合はみられなかった。このことから、プレポリマーを用いる手法では、高分子が標的分子との結合に適した環境を提供するという特徴を有し、人工酵素ポリマーの構築に有用であることが示された。
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